40代になると、心身のあちこちに変化が訪れます。女性の場合は閉経に向けて排卵量が減少していき、更年期へと入っていきますが、このときリスクが上がる疾患がいくつかあるため注意が必要です。

 その代表は動脈硬化や、それによる心筋梗塞、脳卒中です。女性ホルモンが減ると悪玉コレステロール値が高くなりがちで、動脈硬化が起きやすくなります。血管内に蓄積された悪玉コレステロールは血管を塞ぎ、心筋梗塞や脳卒中の原因となってしまうため、善玉コレステロール値を高くしたり、中性脂肪を減らしたりする対策が必要です。なお、体内の脂肪が増えると糖尿病のリスクも上昇するため、脂肪は意識して減らすようにしましょう。

 また、女性ホルモンが減ると、骨密度が低下していきます。ちょっとした衝撃で骨折しやすくなってしまうため、カルシウムやビタミンDなどを摂取したり、適度な運動をしたりして予防することが大事です。子宮がんや乳がんといった女性特有のがんも、この時期にリスクが上がります。早期発見が重要なため、定期検診を欠かさないようにしましょう。さらに、女性ホルモンの減少は自律神経のバランスを崩し、更年期障害をもたらすこともあります。症状は個人ごとに異なるため、婦人科に相談しながら対処していくことをお勧めします。

 このように、心身の変わり目である40代は、疾患の可能性が上昇してきます。日頃から健康管理を意識的に行ったり、早期発見のための検診をしっかりと行ったりして、心身を元気に保ち、来たる50代や60代に備えましょう。